新たな試みとして
岡崎藝術座は今後、より多くの人に作品を観てもらいやすい環境づくりに取り組みます。
◎高校生以下 観劇無料◎
若い世代にも舞台芸術に触れるきっかけをもってもらいたい、との思いから全ステージで高校生以下を無料にします。
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教育の現場では音楽や美術は授業で行われますが、舞台芸術に触れる機会は、現状ほとんどありません。触れる機会がないことは、知らないということです。そして、知らないということは観劇などしたいと思わないということです。
これまで私たちは、高校生以下の若い世代が観劇しやすいよう、低料金でのご案内をしてきました。ところが、これでは演劇部の生徒たちには観劇機会が増えることになっても、演劇を知らない大部分の生徒たちには、関係のないものでした。
当劇団主宰である私神里は、大学時代にたまたま見た学内の舞台に強く感銘を受け、舞台の世界に足を踏み入れることになりました。それまで考えていた「なにかを見る」という行為とは大きく異なり、自分の手で触れることのできそうな距離で生身の人間が汗をかき声を出している姿に衝撃を受け、世界はもっと立体的なものだったと思い知ることができたと感じています。
演劇は生身の人間がその瞬間を生きる、「生きているメディア」です。
感受性豊かな中高生時代に「生きているメディア」としての演劇に触れることは、世界の見方を広げ、人間関係においてのリアルさを実感するのに少なからず影響を与えられるものだと信じ、……とまあかたいこと言ってますが「ちょっとひまだったから来てみた」らなんかわからないけどすごい高揚した、これからおれもわたしも張り切ろう、みたいな中高生を増やすために、高校生以下観劇無料を実施します。
◎日本語字幕・英語字幕付回の実施◎
聴覚障害者の方や外国人の方にも国内の舞台芸術を楽しんでもらうために、字幕の回を設置することにします。
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近年、テレビではデジタル放送の普及とともに、多くの番組が字幕でも見れるようになりました。DVDにも字幕つきは当たり前になり、映画館でも日本語字幕つきの上映回を設けているところも珍しくなくなってきました。
しかし演劇(特に小劇場)においては、日本語字幕付の上演はほとんどなく、聴覚障害者は必然的に字幕の付く海外カンパニーの作品を見ることしかできない環境であることが現状です。日本にいながら日本人の作品を見てもらえないことは、国内の団体として非常に残念なことであり、もったいないことです。
そうした思いから今回、日本語字幕の回を設置し、聴覚障害者にも広く観劇の機会を持っていただきたいと考えています。それに付随して、日本在住の外国人にも日本の現代演劇を楽しんでもらおうと、英語字幕の回も設置します。